何が相場を動かす「口実」なのか?
相場の傾向によって、為替相場が反応する経済指標も変化します。
相場がどういう材料を好むかという事にもトレンドがあります。
相場を動かす材料にも流行が存在します。
2003年の為替相場のテーマは「米国の双子の赤字」でした。
2004年もその傾向が続き、2005年には「金利」が主要テーマに変わりました。
それが2007年頃まで続き、「サブプライム問題」が出てきて、「景気後退懸念」等も入り混じりつつ、2008年の「金融不安・金融危機」に繋がり、「リーマンショック」に至りました。
要は、何が相場を動かす「口実」にされるのかを見極める必要があります。
それを見つける事によって、相場分析はグッと楽になり、精度も増します。
その時々の相場が反応しやすい材料を見極め、的確に相場を把握していく事が大切です。
それを見つけるには、速報や相場のまとめに関するFX系のニュースを注視する事が大切です。
1週間に1回か2回程度しかトレードしない人でも、毎日の相場のニュースは把握し続ける必要があります。
ニュースの多くは相場の一定期間の動きをうまく言葉で表そうとします。
その時に使われる言葉に注目していきましょう。
ニュースの書き手は、読み手を納得させようと現在主要となっているキーワードが使いやすいのです。
最新ニュースを常に把握する事で、自然と相場のテーマを把握する事ができます。
ただ、テーマは常に1つであり続ける訳ではありません。
主要なテーマが1つとしても、その他の小さいテーマは結構頻繁に変化し続ける傾向があります。
一方で、相場自体を把握する上では、相場のテーマを把握する事が重要ですが、相場の方向性を捉える為には、ニュースを信じすぎるのも問題があります。
先程、「相場が材料として好むテーマにも流行がある」と言いました。
しかし、相場のテーマは相場を動かす理由やキッカケに使われやすいだけで、相場の方向性には別の理由が影響している場合が多いです。
ニュースはストレートに信じるな!
例えば、為替相場のニュースで、「〇〇〇〇を嫌気して米ドルは売られた」と流れたとします。
こういったニュースをそのまま受け取ってばかりいると、相場観を狂わされる事になります。
「本当にそうだったんだろうか?」という目で、しっかりと自分で確認する事が必要となります。
また、ニュースにはならなかった事も重要です。
例えば、イエレンFRB議長(2017年8月現在)の講演があったとします。(経済指標で言えば「FOMC」)
主要なテーマに対して想像以上に悲観的なコメントをしたのに、相場は動かなかった。または、米国の注目度の高い経済指標で市場予想値よりも大幅に良い結果が発表されたのに、相場は逆に米ドル売りとなった。
こんな時は、市場が間違ったのでは無く、「ニュースの出し手が気が付かなかった何かがあるのかも?」と考えて下さい。
こういったニュースにならなかったもの、ニュースがうまく表現できなかったものこそ、相場の大きな方向性を判断するのに必要な情報だったりもします。